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†クジストーリー†


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再会編*2*「芸術は妄想だ!」

2009.07.07  *Edit 

しかし、こう思い直したのだ。
きっとカップラーメンに関する記憶がないのだと。
その瞬間から、店員の頭の中はいきなりグルグルと働き始めた。


いや待てよ。この人は、もしかすると、もしかするとだよ? 記憶喪失なのかもしれないぞ!
例えば愛していた彼女にふられて、どうしようもなくなったから……。
そう!
「電車に轢かれようとしたのかもしれない!」

いつの間にか思っていたことは、声に出始めた。
「そして、一命はとりとめたものの、記憶が全部無くなってしまった!
しかも、この人はそれに気づいていない。さらに、親戚とかも全員亡くなってて、あ、それで……!」


なんとこの店員、全然平凡ではなかった。妄想が暴走しやすい面倒な奴だったのだ。

クジはクジで震え上がっていた。店員が急に何かをつぶやき始めたのだから。
もしかすると、地球の言葉で喋れていなかったのか?
それとも、地球ではこんなことを尋ねてはいけないのか?

全然そんなことは思われていないのだが、そんなこと知るはずもないクジは頭を抱えはじめた。
「ああ、どうしよう。僕が宇宙人と知られてしまったら大変だ!
どうしようかな……この人の記憶を少し消そうかなぁ」
記憶を消せる力を持っているらしいクジは、店員さんに近づこうとしましたが、上手くいかない。
なぜならば、あーだこーだ独り言を言っている店員に、おびえていたからであった。

その様子はクジから見れば、まさしく頭のおかしい人と認定する他なかった。


しかし、まだまだ暴走が続く。

「それで、もしかして、この人は一人ぼっち? だったら、僕が友達にならないと。そうしたら……!」
まだまだ回転は衰えない。それどころか、最早独り言のレベルではなくなっていた。


† † † † †


ブツブツブツブツ何かを言っているの店員の様子を見、
「地球人とは、アサヒのような人でいっぱいだ」と、クジは改めて感じるのであった。


とりあえずは命の恩人アサヒを変な人(しかも頭がいかれた店員と同等)扱いしたクジは、
後悔の波に襲われた。
そして同時に決めたのだ。もうこの店員とは一生かかわるまいと。

決めたからには実行だ。
クジはゆっくりと店員から離れ始めた。

幸運なことに、店員の妄想はとんでもない方向に広がっている途中であった。
……そうしたら、海にでも連れてってあげよう。きっとこの人は、彼女と海に行ったことあるだろうから、
思い出すかもしれないなあ。そしたらこの人号泣するだろうな。あれ、待てよ?

何か疑問を感じた店員は、ここでいったん妄想を中止。いきなりクジに話しかけたのだった。
「おーい。彼女と海に行ったことあるかぁい?」

逃げかけていたのに、いきなり呼び止められて、クジはビックリしたまま振り返る。
その姿はお地蔵さんよりも硬直していたそうな。


彼女とは何のことだと思ったものの、あまりに怖くてさっさと逃げたかったクジは
「あ、そうです」と、適当に答えた。

しかし、それが店員の暴走をさらに広げてしまうことなど、クジは知らない。

そうだ! それでこの人は悲しさを紛らわすために、何か食べようと思ったんだけど、
記憶がないために、コレが何か分からないから……!


クジはため息をはきながら、カップラーメンがなんなのかよりも、
この店員が何者かの方を知りたいと思うのであった。


† † † † †


クジは暴走している店員を観察しつつ、急いで走り抜けた。
「地球というのは、あの店員のように、頭がいかれている人ばかりのところか?」

クジはぶつぶつ言いながら歩き始めた。
さっきの妄想店員と大して変わりない状況である。


と、挙句の果てに誰かがクジにぶつかってきた。
ぶつかってきた相手は、ものすごい勢いでかごの中身をぶちまける。
ばらばらばら、何かが大量に落っこちてきた。

イライラしているクジにとどめを刺すかのごとく
「ああ、ごめんごめん。痛かった?」とまあ、ぶつかった犯人が陽気に謝ってきた。
「ふざけるなよ、そっちからぶつかっておいて……あれ?」

犯人をきっと睨みあげると、少し大きくなったアサヒが、ゆっくりと手を差し伸べているではないか。

クジはやっとアサヒに会えたからか、少し力が抜けた。
もしかしたら知っている人に会ったという、安堵感かもしれない。


さあ、やっとアサヒに会えたのだから色々話したい。
「あの……」

ふと買い物かごを見てしまったクジは閉口してしまったのは言うまでもない。
さっき大量に落っこちてきたものは、買い物かごいっぱいのお菓子だったのだから。


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