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また、あの場所へ*1*

2009.06.27  *Edit 

私はもう笑うことはないと思っていた。
世の中の不条理さを知っていたから。
この世界が窮屈だったから。

しかし、それは昔の話だ。あの日から――私の世界は変わったのだ。


† † † † †


私、相崎 唯は中3。一応は吹奏楽所属。
しかし今、部活は最悪だ。
後輩が先週からストライキをしているからだ。
「こんなところ行く気しない」という単なる我が儘だ。

その上、それはどういうことか私が原因らしい。
確かにあんまりハキハキ教える様な性格じゃない。もしかしたら、適当に指図していたかも知れない。

でも、それは他の人も同じだ。私だけのせいではない。


そんな部活も明日は大会のリハーサルがある。明日のことなんて考えたくないのに。

次の日、私はリハーサルをサボった。
何もかも嫌になったのだ。
私もストライキしてやるんだからと、
セーラー服の姿で鞄を持ち、愛用のフルートと共に、私は歩き出した。


……家を出てからどれくらい経ったのか、判らない。ただ、ふらふら何のあてもない町並みを歩き続けた。
ふと、どこまで来たか気になって見ると、そこに河川敷が広がっていた。

「なんて幻想的な光景だろう」
ここ最近全く湧かなかった気持ちに駈られた。
――そう、感動だ。


夕焼けの光が河川に反射して、キラキラ光る。そして、異界の入り口の様な雰囲気を漂わせる。
時間を忘れ、喰い入るように幻想的な世界を見つめ続けた。


「……どうして、こんなに疲れているんだろう」
不意に、涙が頬を伝い落ちる。


どうして、こんなにも現実は重たいのだろう。

もう駄目だと思っても、時は止まらない。
やり直したくても、戻れない。


そんなことを考えていたときだ。誰かが声をかけてきた。
「大丈夫ですか?」


† † † † †


後ろを振り返ると、白いワンピースを着たロングヘアーの茶髪少女が、
ハンカチを持って立っていた。

「あんた、誰?」
ぶっきらぼうな私に怯えもせず、少女は答える。
「私はミヨリです。って言っても、本当の名前は分からないままですわ」

ミヨリという名前も十分不思議だが、
本当の名前は分からないって言うところが引っ掛かった。


だから、私はどうして本当の名前とか言うのか訊いてみることにした。
「あんたさ……」

しかし少女は、私が何かを言う前に、言葉を引き取った。
「……どうして、本当の名前じゃないと? そうね、お話ししましょう」


先手を取られ、呆気にとられる。
まるで、何を言うか初めから分かっているようではないか。


† † † † †


驚きさめならぬ私をよそに、ミヨリは喋りだした。

「私は、生まれてすぐに、施設に預けられました。
それから、今の家に連れていかれたのですが……両親は病気で死にました。
そのときにつけてもらった名前なので、本当の名前ではないのですよ」

一呼吸おいて、話は続いた。
「今、私は悩み事抱えた人と住んでいます。何かあったら来て下さいね」

そう言って渡してくれたのは、メモ紙だった。
〈ミヨリハウス。悩みがあればここに来ては?〉と書いてある。

それを言って気が済んだのだろう。
さよならと、ミヨリは去っていった。


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