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†SPEED―失われた金時計―†


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SPEED~失われた金時計*1*

2009.06.13  *Edit 


「犯罪組織の秘密」


今からたった五年前、大地震が起こった。
死者は一万人以上のとても大きな地震だったことで、今も忘れられない惨事だ。

そこから、この物語は始まるのである。
小さな小さな、しかしとてつもなく大きな物語が。


† † † † †


「全く……これで何度目だと思っているのよ!」
真夜中の美術館。そしてその怒声の主は、神月 美香(かんづき みか)。
警察官の鏡といえるほどのマジメ&几帳面で有名である。

そんな彼女が手にしている一枚の紙切れには、
<じゃあ、また盗んでいきますね。今回のお宝は結構高いでしょ(笑)? SPEED>
子供らしい字で一言、そう書いてあった。


……これでもう十数回? それとも数百回?
どうしてこうも、私たち警察の目をかいくぐれるのかしら。

美香がイライラしながら思うほどに、美術品は盗まれている。
それも、噂によるとたった五人の子供の集まりのグループだそうだ。

「はぁぁ……いつになったら悩みはなくなるのかしら」
美香はため息をついては、報告書を書きに帰っていった。


かわいそうな美香をあざ笑うように、満月は綺麗に輝いている。
そしてそこには、五つの小さな影があった。

「そんなんじゃ、いつまでたっても捕まんないのです!」
おなかを抱えて笑うナナを、アルは「少し黙ってくれよな~」とムリヤリ制した。
その様子を見ながら髪をといているイヨは、含み笑いをしている。


空中に浮かぶ五つの影。
それこそが、美香の悩みの種――――世界的な強盗犯のグループ、SPEEDであった。

メンバーの平均年齢はたったの十四歳。
パッと見、普通の少年少女に見えるその五人は、楽しそうに笑っている。


「待ったぁ! 今何時!? 今日はアニメの最終回があるんだからぁ!」
と、ふいに、SPEEDのリーダーでもあるユエは、慌てふためいてシオンを急かした。
その胸には金色をした時計がキラキラ光っている。

シオンは「しょうがないですね……」と、面倒そうに指を“パチン”と解り易く派手に鳴らした。
そして、そこにはまるでなにもなかったかのように、一瞬にして五人は掻き消えてしまった――。


† † † † †


次の日。山の奥にある、古いお屋敷からは、ものすごい声が聞こえてきた。
「ちょっと! 録画忘れたの!?」
ユエが、昨日の最終回のアニメの録画が出来ていないことに憤慨していたのだ。

「ホントだね……どうしてなんだろうね?」
ユエのほうは一切見ていないのに、イヨは髪をときながら
「あらら、録画ボタン押すのを忘れてたのかしら?」と、まるで見ているように言う。

シオンはユエを見ながら、
「姉さまがしなくていいと、言ったじゃないですか」と、特に興味はなさそうに答えた。
そして昨日のように指をパチンと鳴らし、どこからか持って来た一冊の本を読み始めた。


「なんなんだよ、またかっ!」
突然。二階から怒声が聴こえ、空中に浮いたアルが一階へと降りてきた。

「シオン、それ、俺が読んでた本だぞ!」
シオンのてには“サッカーの必勝法”とかなんとか、いかにも男の子が読みそうな本があった。

「なんのことでしょうかね……」
シオンがしらばっくれているものだから、アルは本を引っ張りはじめた。
「返せよ! 俺のもんなんだよ!」


周りのものが、一斉に浮いたかと思うと、シオンめがけて飛んできた。
シオンは身じろぎ一つしないで、パッ、パッと、消えては現れ、現れては消える。

それを見たナナはビックリして、二人の間に入っていった。
「シオンも、アルも、どっちも悪いのです!」
ナナは二人を指差して、「シオン、アル、止まれ!」と大声で言った。
すると、二人ともあれだけ暴れていたのに、微動だにしなくなったのだ。


……二人は今にも殴ろうとする格好から動かない。


「お前が悪いんだろ!」
「……さて、僕はこの本を読んでいただけですが」
お互いが殴ろうとする格好で、口げんかまで始めてしまった。

ナナはイライラしながらも、「二人とも黙るです!」と、指差した。
やっぱりまた、二人は声が出なくなった。

「×××!」
「××××……」
口パクでケンカを続けている。まるで言いたくても言えないかのように。
ナナはそれを見て「これでケンカ両成敗なのです!」と、手をパンパンとはらった。


† † † † †


お気づきだろうか、変なことを平気でやってのけているのを。


そう、SPEEDとは―――
ユエ、イヨ、アル、シオン、ナナの「超能力」を持った五人組の、犯罪組織なのだ。
そのチカラを使って、お宝をたびたび盗むのである。


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