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†クジストーリー†


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出会い編*3*「ああ、物語は終焉に」

2009.05.17  *Edit 

もうどうかんがえても自分の存在が忘れ去られている。
そう感じたクジは、とぼとぼと一人で歩き始めた。
(行きがけの駄賃にアサヒのお財布から三千円抜き取って)
また人の多いところでは誰かに捕まりそうだと思ったので、裏通りを通って景色を楽しむことに。


そして、裏通りが終わったところに綺麗な草原があった。
ああ、後1日だ。
クジはふっと3日前を振り返った。

机の下に避難していたアサヒという地球人(そして変人)。
しかし、右も左も分からない自分を泊めてくれた。
あんなアサヒだが、3日間お世話になったのだ。何かお礼をしないといけない。
そう考えたクジは、草原に大の字に横たわって考え始める。
クジの横にはキラキラした草花がゆらゆら……それを見たクジは反射的に飛び上がった。
「そうだ。そうだよ、これだ!」

そう言うか言わないか、何かを唱え始めた。


それから約一時間。
ずっと唱えていた呪文のような物はどうにか終わりという訳だ。
クジは疲れがどっと出たのか、そこで眠り始めた。

残念なことに、アサヒのことは忘れ去られていたように思う。


† † † † †


アサヒ&おばさんのヒートアップして誰にも止められそうにもない話題はとうとう尽きてしまった。
そこで気づいたのである。
「クジがいないじゃん! どこいったんだろう? あれほど離れるなっていったのになぁ」

実は自分が話を聞いていなかっただけだなんて、気づきもしないアサヒ。
そりゃああの会話の永遠ループですから、クジの一言なんて全く聞こえてないだろうに。
仕方がないのでおばさんにサヨナラを告げ、商店街を駆け出した。

一方、クジはというと。
「寝過ごした! 絶対にアサヒは怒るだろうなぁ。心配してる? ――なわけないか」
そこで気づいたのである。
あたりは夕暮れ、その上に裏通りの判りづらそうな路地裏、
極めつけに自分は帰る家まで分からない事。


そう、俗に言う「迷子」なのだ。この年で!


クジは地球には警察署なんていう便利な物があるなんて知らないから、困り果ててしまった。
アサヒはおばさんの所だろうし、自分はそのお店へ帰る道すら忘れてしまっている。
「あ~あ。やっぱり、僕って不幸なんだろうな」
クジはとりあえず、その場から動かず、助けを気長に待つことにした。


アサヒはこの土地を知り尽くす地元の人間なのに、どうしてもクジの居場所がわからない。
なぜなら、当たり前なのだが行き先がわからないからだ。
「どうすれば良いのさぁ……」
と、坂道の階段を踏み外して転がり落ちた先に……クジが、いた。

草原の真ん中で立っているクジは、気配を感じて振り返った。
そこに、アサヒが息を切らして迎えに来た。


「全く、どこに行っていたのさ。おかげで、おばさんとあんまり話せなかったじゃない」
「まだ話す気だったんですか、アサヒ」
クジは冷静に突っ込みつつ、探してくれていたことに安堵のため息を吐いた。

「とにかく、見つかってよかったですよ。
知らない土地を歩くのは危険だということを知りました。あ、それで……」
クジは封筒を取り出した。そして、
「何か困ったときにはこれを開けてくださいね」と、封筒をアサヒに渡した。

封筒の中身を今すぐ知りたいアサヒは開けようとしたが、
クジが首を静かに振るので、ポケットにしまった。しかたなく。

その後は、折角ということで写真を撮って、一緒に家に帰ったのであった。
夕暮れはいよいよ本格的な夜になっていたが、二人の心はずっと明るかった。


† † † † †


朝起きるとクジの姿が見当たらなかった。もう行ってしまったようだ。
挨拶もなしで帰ってしまうあたり、まさしくクジである。

もう少し待ってくれても良かったのに。
そう思いながらアサヒはコーヒーを注いで……手が滑って大やけどしたとさ。


やっぱりドジだなあ。
そんなクジの声が、空から響くように思えた。


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